随感随筆

お寺での日々

順境の中に逆境あり、逆境の中に順境あり

不肖の弟子である愚僧の師僧は、

京都で一ヶ寺、滋賀で三ヶ寺、計4ヶ寺の住職をなされておられます。

 

そのうち滋賀の2ヶ寺は、檀家さんのいないお寺で、

村の自治会が管理してくださっております。

お寺のお掃除から、各種法要の日取り決めなど、

村の方々が責任をもって担ってくださっておられます。

誠に有難く、ご信心の深さに心より感謝しておる次第に御座います。

 

件の2ヶ寺、それぞれ年に数回、法要を厳修致します。

勿論、法要自体もですが、その法要の準備や法要終了後に、

村の方々と交流させて頂けることが、本当に楽しみです。

 

しかしながら、コロナ禍となって以来、

ほぼ、その2ヶ寺では、其々の自治会の判断により、

村の方々にお越し頂ける法要を営めない状況が続いております。

この3年間、住職と拙僧、それぞれの村の代表役員の方数名だけでの

短時間での法要ばかりを営んでおります。

 

田んぼばかりの、日本昔話に出てくるような小さな村の小さなお寺。

地域住民の方々は、圧倒的に高齢の方が多いです。

風の便りで、訃報などが届きます。

3年という年月の重さ?長さ?流れ?に心痛致します。

 

そこで、このような状況を打開すべく、

まずは、2ヶ寺のうちの1ヶ寺にて、ご本尊様に因み、

毎月17日に「観音縁日」の法要と茶話会などを企画し、

今年の1月からはじめることに致しました。

 

前日の16日に掃除と準備に行きました。

お寺に対する愛おしさが募ります。

歴代のご住職にも思いが馳せます。

恐らく、誰も来てはくださらないだろうけれど、

こうして掃除と法要をさせて頂けることに、

改めて感謝と喜びの念に包まれます。

 

そして17日、法要当日。

「こんな有難いご縁を頂いて感謝致します」と、

5名の方々がお越しくださいました。

 

本当に誰もお越し頂けないものと覚悟しておりましたので、

本当に吃驚致しました。

そして何故かしら、坊主冥利に尽きると、

心から感動致しました。

 

来月もどうなるかわかりませんが、

継続は力なりの精神で精進してまいります。

 

しあわせ備忘として、ここに記録させて頂きました。

ここまでお付き合いくださいました御方様、

誠に有難う御座います。

日本列島、寒波に見舞われております。

どうぞ皆様、ご自愛専一になさってくださいませ。合掌