随感随筆

お寺での日々

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特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

 

3年程前に右脚を痛め、当初は曲げることもかなわず、歩くこともままならず、数センチの段差にさへ躊躇してしまう状況にありました。1年ほど通院しリハビリを重ね、少しばかりは曲がるようになり、歩けるようにはなりましたが、これ以上の改善は見込めないとの医院長通告および自覚により、通院およびリハビリを止めてしまいました。

 

歩くこともままならぬ状況であるということは、お拝(五体投地)も出来ず、坐禅も正座も出来ません。その当時の記憶があまりないのですが、還俗(僧侶をやめること)すべきなのではないかと日々思い悩み、鬱々としておりました。

 

確かに、とある僧侶から身体が不自由な者は僧侶であってはならないとの戒律があるため、今すぐ還俗することを誓いなさいと、衆人の前で詰め寄られたこともありました。

 

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禅宗坊主として、大きく分けて「お経やさん(読経)」「お話やさん(法話)」「坐りやさん(坐禅)」の三つの括りがあり、どれかに精通するとよいとの説を聞いたことがあり、自分は坐禅が大好きだったこと及び読経と法話には自信皆無なことにより、「坐りやさん」になりたいと思っておりました。日常生活の中、椅子の上でも正座するほどの正座好きでもありました。しかしながら、脚が曲がらない現実が常に目の前にあります。

 

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元々、何処のお寺とも繋がりもない在家出身の初老の新米僧侶です。還俗しようが何しようが、何処にも誰にも迷惑は掛からないという、ある意味悲しい立場。修行も出来ない禅僧など、似非坊主でしかないと。それでも僧侶という生き方を諦めることが出来ず、自分なりにリハビリと祈念を続けてまいりました。

 

そのような日々の中、お蔭様にて、徐々にお拝もどき(⁉)がどうにかこうにか出来るようになりはじめ、いよいよ昨年(2022)年は、不細工ながらも複数回のお拝が連続して出来るようになり、正座もどき(⁉)が約15分程度、出来るようになりました。

 

以上が、『わたしの2022年』です。

 

そして『2023年にやりたいこと』は、美しいお拝、正座30分、坐禅とまではいいません、せめて胡坐がかけるように精進したい!これに尽きます。

 

勿論、国指定重要文化財である鉄眼版一切経版木の保全保護、調査、啓蒙活動も併せて精進してまいります。その他、色々と精進したいことが沢山あります。ほんに有難いこと、不肖過ぎる弟子を否定せず、嘆かず、諦めず、常に導いて下さる師僧に、心より感謝致しておる次第に御座います。

 

長々と此処まで拙僧の戯言にお付き合いくださり有難う御座いました。合掌